ラノベ平積み作品 - うちの場合

ゆうきさらのほんよみにっき - こまったなあ

REVの日記 @はてな - "書店のラノベ担当者の方。平積みするのにオススメのシリーズを推薦して下さい。"

平和の温故知新@はてな - 書店で平積みするライトノベルをどう選ぶか


ラノベ含めた文庫担当です。実際のところどうなの? というのを書いてみたいと思います。といってもラノベ評論界隈に詳しい訳ではないので、本当の売れ筋みたいなものは見逃しているかもしれません。あくまでも「うちの場合」の話だと思っていただければ幸い。


<前提事項>
・「電撃組」参加店。角川「男組」参加店、「女組」未参加店。
集英社コバルト文庫は配本それなり。売上スリップ送って参加するアレには参加しているはず。
・他レーベルからの配本は各1冊前後。たまに2冊、下手すると0冊のものも。


◆常時平積み中。売れ行きも良好で動かすに動かせないもの。
涼宮ハルヒ (角川スニーカー)
ゼロの使い魔 (MF)
彩雲国物語 (角川ビーンズ)


◆時期もので平積み中。適宜入れ替え予定。
風の聖痕 (富士見ファンタジア)
鋼殻のレギオス (富士見ファンタジア)
夜想譚グリモアリス (富士見ミステリー)
神曲奏界ポリフォニカ (GA)
文学少女 (ファミ通


◆平積みしてないけど、棚でもけっこう回っているなと感じるもの。場合によっては平積みしても?
いぬかみっ (電撃)
断章のグリム (電撃)
リリアとトレイズ (電撃)
ムシウタ (角川スニーカー)
・Add (角川スニーカー)
フルメタルパニック (富士見ファンタジア)
まぶらほ (富士見ファンタジア)
学校の階段 (ファミ通
少年陰陽師 (角川ビーンズ)
・「まるマ」 (角川ビーンズ)
マリア様が見てる (集英社コバルト)


◆誰が何と言おうと問答無用でプッシュ中(何)。
ミミズクと夜の王 (電撃)


わりと普通ですね(笑)。


あと、新刊は基本的に平積みになっています。平積みシリーズの中で、電撃文庫のものがないのは、そもそも電撃の新刊が(点数、冊数ともに)多いので、それで手一杯、という理由もあります。電撃は特に、新刊の動きの方が強いような気がします。


角川グループのレーベルはフェア(シリーズのプッシュ)の提案もけっこう多いので、これはというものがあればそれに乗ってみるのもいいんじゃないかと思います。富士見ファンタジア、富士見ミステリーの場合は、数打ちゃ当たる方式というか……売れそうなフェアとそうでないものがごちゃまぜに送られてくるので、悩むところではあるんですが(笑)。特にアニメ化タイトルは編集部も大きくプッシュしてきますが、そもそも地方では放映されないことも……。そういう意味では「風の聖痕」は思ったよりも売れたなと(笑)。


これは余談ですが、新刊が売り切れて空いた平台を埋めるために、いくつか予備の平台用商品をキープしたりもしています(笑)。主にちょっと前の平積み商品で、平台から落としたものなどを。


ラノベの場合、全体の売上の中で新刊の売上が占める割合がどうしても多いので、新刊配本のない書店はネガティブスパイラルに陥ってしまいがちで、そういう中で頑張るのはとても大変なことだと思います。発売日当日に発注をかけても、まともな冊数を回してくれなかったりしますしね。それでも、売上を伸ばしていこうと考えるのであれば、やはり既刊本をきっちり管理して地道にお客様を定着させていくしかないのだろうなー、と考えています。


そういう観点から見れば、メディアミックスタイトルなどでフェア提案のあるものは、応募すれば商品確保はしやすそうな感じですか。


でも、青くさいことを言うと、編集部主導の売り場作りばかりでは面白くありませんし、自分なりに良作(シリーズ)をプッシュして、その店ならではのお客様というのを作っていくのも醍醐味かなー、とも思います。また、他ジャンルでも当たり前の手法ですが、商品の売れ行きをマメにチェックして、自店で売れているものを平積みに持ってくるとか、そういうチャレンジもどんどんやってみたらいいのではないかと。